北海道現代史 資料編1(政治・行政)
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したアイヌ新法の内容についても十分に知られていない状況にあります。さらに、近年、アイヌの人たちの歴史や自然観に基づく生活様式、アイヌ語に由来する地名などに多くの関心が寄せられており、道内の一部の河川においてはアイヌ語による河川名の併記が進められているほか、アイヌ語に由来する地名を復活させる取組みも始まっています。この他、アイヌ文化の保存振興を図るためには、研究者の育成や研究機能の充実、アイヌ文化を伝える・体験できる・学べる総合的な場の整備などとともに、アイヌの人たちの生活基盤の安定を図る施策の推進も求められています。Ⅳ アイヌ文化の振興等に関する基本的な方針施策の基本的方針アイヌの人たちの民族としての誇りの源泉となっているアイヌ文化がおかれている状況を踏まえると、これらアイヌ文化の保存・振興を図り、伝統的文化を現在に生かし発展させていくとともに、アイヌ民族の伝統や文化などに関する理解を深めることが、アイヌの人たちの民族としての誇りが尊重される社会の実現と文化の一層の発展を図る上で重要であることから、次の基本的な方針に立って施策を推進します。1 アイヌ文化の振興アイヌの人たちの民族としてのアイデンティティ(帰属意識)の基盤であるアイヌ文化を次世代へ継承することができるよう、アイヌ文化の保存、伝承に関する施策を推進します。また、アイヌ文化を歴史的な遺産にとどめることなく、現代社会に生かし、将来に向かって発展させることができるよう、アイヌ文化の振興に関する施策を推進するとともに、総合的・効果的な実施に努めます。2 理解の促進アイヌの人たちの民族としての誇りの源泉であるア      イヌ文化を、本道の文化の一つとして広く道民が理解を深めることができるよう、アイヌ民族の伝統や文化についての知識の普及と啓発に関する施策を推進しま第9章 現代北海道政治史の中のアイヌ民族1048

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