町村であって、臨機応変という難しさはあるけど、そこはそこで我慢しながら、やれるものから広域でやってきました。今でもお医者さん一人で町長は苦労しており、歴代、前町長も、お医者さんでものすごい苦労してきました。私は、江差病院を三町の近くに移転し、統合したいと取り組んできました。それで、道には毎年一億出して、「その代わり医師は派遣してよと。交替でもいいから」とまで言っているのだけど実現しなかった。受け入れる道の問題です。道立病院がここの中核病院ですから、経営には応分の負担をすると。ただ、今だって内科も外科も常勤ではなく出張医の状況です。堀さんの時代に心配はしてくれて、「知事、医者探しが仕事の第一、もっと違うところで行政に全力挙げたいよ」と。「おい、寺島さんでもそうなのか」と言うから、「みんな苦労してるんだよ」と言って、道も真剣に検討寺島 した時期もあったのです。地方に行くお医者さんの絶対数が足りないっていうのに、厚生省はいつも一〇年ごとにお医者さんを減らそうとしてきた。今回、コロナでこれだけ医者が足りないのに、知事も一言もその事には触れていない。特に北海道は、地方の医療行政が弱い。私は今でも、江差病院が充実されれば、乙部、厚沢部 函館が良いと思います。全道を道央、道南、道北、道東を含めて診療所で良いと思っています。あとは、函館にバスを出すか、ハイヤーで行くとき助成して、という方が良いかなと思います。と、四か六の案、最初に知事の出した案でうまくいくとは思わなかったけど、一つの案でないのかと今でも思っています。ただそれが、誰か有力者が反対したら七にな寺島 圏域ごとの時代が来るだろうし、その時は道南は―道立江差病院が新築移転してきた際に、乙部町は国保病院を独自で持つ選択をしたのはなぜですか。―堀知事の時代、本庁と支庁の二重の審査や補助事業清算が解消されるのであれば、江差に支庁がなくても函館だけでも良いという話をされていました。第10章 証言でたどる北海道の政治・行政1174
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