北海道現代史 資料編1(政治・行政)
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大では、一九六六年に約五〇〇人だった会員数は着実に増え、現在は八〇〇人におよびます。このうち活動しているのは約五〇〇人ですが、八〇〇人という数字は全学生の約九%を占め、二年前の二倍以上になっています。三派連合と革マルは、共産党シンパの台頭に敵意を強めて反発しています。道内におけるこの二年間の学生運動で最も見ものだったのは、一九六七年一〇月、学生集会で全学連幹部の「高飛車」な態度に異議を唱えた革マルの学生数人が、フタツガワケンジ(北大全学連委員長、共産党員)を殴打した事件でしょう。この事件は、親・反共産党学生間の対立をいっそう際立たせ、フタツガワは一週間の入院を余儀なくされました。日本の他の地域と同様、北海道の革マルと三派の学生は折に触れて協力し合っていますが、彼らは共産党シンパを革命的同志の埒外とみなしています。三派連合と革マルの学生の協力関係は、一月のエンタープライズ寄港に際して、両派のメンバーが領事館前のデモに参加し合い、三日間で計四〇四人の参加者を得たことで明らかになりました。三派連合は三日間で三回のデモで三〇二人を集めましたが、共産党シンパの学生は四日間で四回のデモを行い、一七四〇人を集めました。道内の学生デモのほとんどは、規模が大きく政治に関心のある学生の割合が高い、北海道大学か北海道教育大学の学生によるものです。両大学の本キャンパスは北海道の政治的中心である札幌にあるため、札幌以外で行われることはほぼありません。ただ、他都市の学生が時折、札幌でのデモに参加することはあります。現在の道内のメンバーの中で、全国的な学生運動の指    ん。北大の三派連合の委員長であるネリアイテルオは、導者になりそうな者はおらず、一九六〇年に全学連の安保反対闘争を率いた唐牛健太郎の名声に匹敵するような存在はまず見当たりません。北大四年生のフタツガワケンジは、道内で最も卓越していてよく知られた共産党系の学生指導者ですが、全国的に目立つ存在ではありませ七〇年安保で決着の日を迎えると信じて専心準備する「プロの革命家」を自認しており、学生生活は七年にな第3章 防衛・治安374

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