件のように政治問題に発展する場合もありますので、関係官庁及び地方自治体等への事前調整等に十分配慮しつつ、事故防止に万全を期して訓練を実施していくことが、海上自衛隊への信頼を高めるためにも必要と考えます。艦艇の寄港及び広報に対する反応については、訓練、 -対運動はありますが、地方自治体、一般市民等の海上自業務の途次寄港し又は、広報のため入港する北海道の港の大部分で、地方自治体、商工会、自衛隊協力会等の主催による入港歓迎行事が、行われており、ごく一部の反衛隊に対する感情は一般に良好であると考えられます。さらに、我が国固有の領土である北方領土には、昨年八(国立公文書館所蔵 「第20回自衛隊高級幹部会同における事務次官説示」(「高級幹部会同(昭和59年)2/2」所収)防衛庁史資料 平17防衛01271100)月から九月にかけて合計二〇数機のMIG23戦闘機が飛来し、現在では、約四〇機に増加した模様であります。我が国の北方領土に対する一貫した主張を無視するかのように、ソ連がかかる新鋭機を我が北方領土に配備したことは誠に遺憾であると申さざるを得ません。また、ソ連のキエフ級空母三番艦「ノボロシスク」が数隻の随伴艦とともに極東に回航されたことは皆様の御記憶に新しいところであります。このような極東ソ連軍の増強に伴ってその行動も活発化しております。ソ連艦艇の三海峡通峡状況及びソ連航空機の我が国への接近飛行はいずれも逐年活発化しており、ソ連機あるいはソ連機と推測される航空機による領空侵犯事例が昨年後半に二件相次いで発生しております。(国立公文書館所蔵 一九八四年五月防衛庁史資料 平17防衛01276100)新冷戦下の北方領土第3章 防衛・治安42446
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