北海道現代史 資料編1(政治・行政)
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〈中略〉今回の調査の結論は、今後レ(ナルド博士を中心として慎重に検討の上、取纏められ、それに基いて農林省に対し何等かの形で勧告が為されるものと思はれるが、自分が案内及び通訳している間に印象づけられた若干の点を指摘すると次の通りである。官立種畜場の経営が適正でない。種畜場は広大な面積を粗放に使つてをり土地利用の合理化を図つていない。特に十勝支場でその点が目立つた(釧路支場は比較的良好であつた)政府自らがこんな事では困る」と洩していた。尚リツチー氏は政府が種畜事業を行ふことには強い疑問を持つているようである。開拓と畜産との結び付きが不足であること。北海道の開拓地では、直に耕地には出来ないが、牧野にならば比較的簡単に為しうる土地が存する。耕地を作ることばかりが開拓ではなく、牧野を作オ脱カ)レ(ナルド部長は、「牧場の集約利用を指導すべきオ脱カ)〈中略〉ることも北海道では必要である。既存牧野の内条件の良いものは、これを耕地に転換し、それによつて生ずる牧野の不足は牧野開拓によつて補ふことを考へるべきである。七、開拓に就ては、主任ジヨンソン氏が助手中原氏を伴つて別行動で観察した為筆者は直接現地に同行し得なかつたが、車中での同氏との談話や道庁に於ける説示の内容から見て、同氏は北海道の開拓の非能率不成績を痛感した模様である。同氏の話を綜合して見ると次の如き見解を持つているようである。大部分は無能である。(道庁開拓部長和栗氏は有能と折紙をつけられた)しない。道庁の開拓部、支庁の拓殖課及び現業所の職員のこれら職員は土壌、農事経営につき殆ど知識を有開拓部と土木部との関係、開拓部内の機構に欠陥(5)         (2) (4) (1) 第1章 国内・道内政治① 68

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