北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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〈一九四五年九~一〇月〉北海道滝川労政事務所「労働運動史資料 二七・二八年」一九五三年芦別労働組合一、組合の結成状況1、結成に至る迄の概況㈠ 三井芦別従業員組合の結成終戦後、全道の炭砿に於てみられた様な、中国人捕虜、朝鮮人の問題は、三井芦別鉱業所に於てもその例に洩れず、職員、労務関係従業員、先山等で彼等から反感をもたれていた者に対する報復としての労働組合と連合体の結成昭和   暴力行為、或いは朝鮮人同志の離反、騒動等で暗黒的な現象を呈した一時期がすぎるに及んで、食糧問題が起つて来た。勿論組合結成に対する積極的な考え方、或いは組合そのものに対する社会的、経済的価値についての認識よりもむしろ、餓死寸前にまで追込まれた食糧問題に対し共同的行為で食糧を獲得仕()様との考え方が高まつて来た。と同時に戦時下に於ける職制の圧迫に対する反撥、戦後の所謂占領軍によつてなされた日本民主化のための諸立法、諸制度に対する認識等から組合結成に対する条件は既に熟していたが、昭和二十年九月、偶々戦前社会運動の洗礼を受けたことのある大島常次郎(坑外雑夫)は、前記の状態のもとで、組合結成を積極化するため、坑内の有力な坑夫の説得に努めた。大島常次郎の弁舌の豊かさは坑夫連を魅了するとゝもに、その非合法時代の社会運動家としての経歴は人々を動かす楔機となつた。大島常次郎が組合結成の計画を相談した人々は、飯ママ第一節 戦後復興期の労働運動1 三井芦別従業員組合の結成1001第1節 戦後復興期の労働運動(1) 

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