北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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収入トノ差額ヲ会社側ノ負担トスルコト二・一斗争は革命的自覚の闘争反動陣営は震ひ上る 二・一ゼネストは中止されたが、この一大闘争に結集  〱〱-- 上一五の首切反対闘争のときは今回以上の政治的側面を有した数は数百万と称せられ、日本の組織労働者の実に八〇%がこの歴史的な闘争に加つたのである。数において多いばかりでなく全組合員の生活を守るための心からの叫びであるため全官公労、産別、総同盟、日労等の区別なく腕を組んだこと、闘争の過程に於て政治的自覚が深められ、吉田内閣打倒にまで結集したことである。九・(札幌学院大学所蔵 国鉄北海道労働組合『札鉄労働組合新聞』一八号(『プランゲ文庫』所収)一九四七年三月笠嶋一資料五五一闘争毎に示す驚異的生長〇三一〇三)つていたのであるが、今回の如く見事なる結集をなしえ以 なかつたことを思ふならば、僅かの期間に驚くべき成長を遂げたことになる。しかし、ゼネストは中止された。二・一闘争はわれとも敗であらうか。満々たる闘志をもつて一路ゼネストへばく進しつゝあつたのが、その最高潮期に突如中止となつた。伊井全官議長は涙をもつて「断腸の思ひ」を放送し、又聴く者も涙できいた。この涙のために必要以上にわれ〱は敗北感を抱かされたやうであるが、闘争に感傷は禁物である。われ処しなければならぬ。殊に二・一闘争は日本経済の最困難のときに行はれやうとし、革命的な性格を有つに至り、その規模の大なることに於て文字通り前古未曽有のものであり、社会の各階層に与えた衝動は大なるものがある。従つてこれらに対する批判、誹謗は既にしきりであるが今後も根深く行はれるであろうから。闘争の勝敗を論じる場合第一に経済的要求の結果を見にとつて果して勝であるか、それは冷静に批判して自らの信念を固め、今後に対5 二・一ゼネスト中止に対する国鉄道労組の動向1007第1節 戦後復興期の労働運動

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