根室線の危機について 根室線が不通にならうとしている列車を止め組合を弾圧しようとする当局機関車一輛増配すれば問題は解決根室線の関所、狩勝隧道は、長さ約一キロ、隧道内は 〱深 省」とゆう危険に会つている。昨年十一月にも乗務員が千分の二五とゆう鉄道最大の上りコウ配で、通気孔、通風装置もない隧道内は摂氏七〇度からで「バイ煙」「ガス」がひどく機関車乗務員は「チツ息」「火傷」「人事不チツ息し人事不省の事故を起しているのである。この事実を見ても隧道内の作業がいかに困難であるかが判る。ズイ道を出てはじめて生きた心地一乗務員の話〔国鉄労組旭川支部作成ビラ〕(津田豊男「根室本線狩勝トンネル紛争について」所収)皆さんに訴える!一九四八年五月二〇日普通のズイ道は通常ヌレタオルをマスクにし乗務するが、狩勝ズイ道は乾燥したタオルでなければ熱気のため、かえつて火傷する程で、素肌は少しも出すことが出来ない。或る乗務員はかう云つている。 「ズイ道にさしかゝると身仕度をし、深呼吸をする。ズイ道内では投炭のため坐るヒマもない。列車がズイ道に入るに従つて苦しくなつて来て、無我夢中になる。どうにもならなくなつた時、ボオーと陽の入つて来るのが見えると気が遠くなりそうだ。列車がズイ道を出た瞬間急いでマスクをとり、探()呼吸をして生気にかえる。振り返つてモクツトし、今日も無事だつたかと胸をなで下し安心する」と。それでも風向きの悪い日は大ていズイ道内でやられて仕舞う、とゆうのである。ママ無()暴な当局の輸送復興策とズイ道から出る煙を見て、はじめてホ列車を打切れ! 労働基準法実施は不可能だわれわれは正しく輸送をやらうとしている6 狩勝トンネル紛争の動機1010第10章 労働運動
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