北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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期待される全道労協の結成来年春の地方選挙がその試金石か去る三月、民同系、中立系労組が集まり北労会議に対抗した戦線統一を作ろうとして発足した全道労協結成準備会はその後、左派の強い民間労組から「総評の下部組織を作ろうとする陰謀だ」といずれも手ごわいひじ鉄砲を喰い、あわや消滅するのではないかとさえみられていた。ところがこれが朝鮮事変を契機として起つた全労連解散、総評議会の結成および民間重要産業からの赤色追放などの一連の厳しい客観情勢から急速にその結成が軌道に乗り、ついに十一月、十六、七の両日札幌市で結成大会を開くという段階にまで漕ぎついた。結成大会に参全道労協の発足北海道労働部『北海労働』四八号一九五〇年一〇月二〇日加を予定されているのは全逓従(二万一千)北教組(二万四千)道金属(一万四千)国鉄室蘭支部(六千)同函館支部(七千八百)土建一般(七千)全道庁(一万一千)全日木(一千)全鉱北連(四千)のほか炭労十一万を加えると二十万という大組織になる。このうち炭労は去る九月二十九日の第二回地方委員会で全道労協に対する基本的態度として次の三項目を決定したがこれは全道労協の性格を如実に示すものとみてよい。   ㈠ することが前提であるが、統一方法については各単産の意向を十分尊重する。㈡ れらの加盟組合といえども上部を離れて加入することについては制限しない。㈢ ること。したがつて二重加入は認めない。炭労の正式加入は次期地方委員会か大会かで決定する中立的な立場で戦線統一を行う。これは闘う組織に総評および北労、総同盟のいずれにも偏しない。こ統一組織の形態は各産業別および単産の結集体であ7 期待される全道労協の結成1012第10章 労働運動(3) 

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