〈中略〉〈中略〉ママ)二、現在における労働力の給源地域第二表〈略〉によつて知られるように、女工の出身地は、単に札幌及び近隣町村に限らず、北海道全域に亘つている。しかし、一見雑然と散在しているかの如き出身地も、市及び支庁を単位として分類すれば下表の通りである。(第三表〈略〉)即ち、札幌市は僅かに十四%程度を補充しているにすぎず、他の都市(一四・七%)と合して二九%程度であるから、大都市からは約三割程度の補充といえるであろう。(但し、本調査では、札幌市は一四%となつているが、恐らくは二〇%を若干上廻るのが事実と思われる。―第( 表参照)注目すべきは、後志、桧山、渡島の三地区が四三%を占めていることである。道南地帯(含函館)としてみると、四六・三%、即ち約半数はこゝで占められている。次に注目すべきは、石狩支庁区、即ち札幌近郊の地区と空知地区であり、同地区の炭砿地帯からのものである。これら両者を合して一三%となつているが、他の地区はいずれをとつても、略々均等な率でしかも少数を供給しているにすぎないのである。要約して現在の女工の給源は道南地区を主とし、これに札幌及びその近郊と他の大都市が加わり、更に炭抗地帯と僅少な供給をなす他の地区であるといえよう。労働力の周流及び労働力それ自身の問題としてみても、労働力がいかなる社会層から供給されるか、即ち賃金労働者がいかなる社会層の分解によつて発生するかは重要な問題である。その目的のために女工の出身家庭の職業を調査してみた。 女工の出身家庭、生家の職業は、通勤者(主に札幌市在住)と、寄宿舎生活のものとでは確然とした差異がある。〈中略〉第二節 給源社会層89第2節 経済構造と雇用・人口
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