北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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これは今後団交により是正を図るべきだ」との決定を行い、また道炭労も同日同様の決定を行つた。しかし、第一組合は二十日執行委員会で「斡旋案拒否」の決定を行い、同日共斗との合同会議は結論を見ずに終り、この間社宅地区では地区斗争委、有志懇談会等の会合がもたれ何れも斡旋案拒否の方向を打出し、斡旋案による解決には極めて悲観的な空気が大勢を支配した。二十二日斗争委員会が開かれ、執行部は「本会議は結論を出さず、ただ討論するに止めて貰いたい」と前置して「執行部の斡旋案に対する態度は拒否を決めたが、共斗よりの強い要請もあり本委員会には斡旋案は不満であるとの報告に止める」とし「斡旋案に対する最後的態度決定は全員大会で行いたい」との方針を提案し、多数の支持をうけ、大会に臨むことになつた。しかし斡旋案受諾の態度を決めた共斗委と第一組合執行部との意見調整が難航し、斡旋案に対する回答期限の二十二日には回答が不可能な状況となつたため第一組合は同日総評北川幹事を通じて中労委に対し回答の延期を申入れた。会社側も同日回答延期を申入れた。このような動きから総評から室蘭に派遣されていた石黒幹事は高野事務局長の来蘭を要請、高野氏は二十三日現地に乗込むとともに直ちに「中労委の第二次斡旋は期待出来ないこと、斗争は資金面から限界に来ていること」などを理由として「斡旋案を受諾すべし」との趣旨の説得を始め、富士鉄、炭労など共斗側は説得工作を活潑化したが、大会を目前にして共斗の説得で受諾に傾いた執行部(十二名中八名)の説得が強硬派をどの程度動かし得るか、さらに大会の混乱や分裂さえ予想されて極めて微妙な状態になり、大会の開会が延びた。かくて斡旋案の諾否を決める第三十三回臨時大会は二     席して開かれ、議長団に藤井、渋谷の両氏を選出、小林十六日午前十時四十分から室蘭天沢小学校で組合員二、一九一名中一、九一二名、これに主婦等約一〇〇名が出組合長、高野事務局長のあいさつに次いで鈴木書記長から「執行部は二十五日深更重大な結論に達した。日鋼は非常な苦境に直面して争議の早期解決を要望しているが、1020第10章 労働運動

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