といつている。そして組合側の意見を求めると、こ()ちの会社は悪らつ無道の極悪人で、われしぼり上げようとしていると噴激している。このような憎悪にみちた労使関係を直接に見ておどろいたのである。それから二月程たつてから再び訪れて見ると、会社側はうちの組合は会社側の言うことを何でもよく聞いて協力してくれるので、こんなよい組合はないとほめたゝえているし、組合も又うちの会社はわれ受け入れて親が子供に対するように温情があふれているとほめたゝえている。僅か二ヵ月の間に労使関係がこんなに変化するということは信ぜられないのである。これは団体交渉をするときに真実にもとずかないで感情によつて対立するからこのようなことになるのである。無用な全国組合は排除するがよい第二は一般組合員に対するサービスの問題である。全国的に見て一般組合員が組合運動に無関心となり脱落する者が増加している。このことは単位組合が一般組合より集めた会費の半分以上のものは上部団体に納入してしまつて、財政が困難となり、一般組合員に対するサービの一粒の米までス活動が思うように出来なくなつていることに起因しているのであるから、単位組合が全国組合に参加する途中における中間機関の中で無用と思われるものは排除して行くことが必要と思われる。第三はストライキ資金の積立ということである。組合の要求を何でもが正当な要求を達成する場合にストライキに入るということは止むを得ないことではあるが、ストライキを決行する場合に充分な準備をしていないと、大事な時に腰くだけとなつて負けてしまい、その結果一般組合員の生活に重大な打撃を与えることになるので、この際充分なスト資金を貯えるということが肝要である。だからといつて私はストライキを奨励している意味にとつてもらつては困る。 〱 〱う第四は組合を強化する三要素についてお話を申上げたい。それは組合規約と労働協約と教育活動についてゞあストライキ資金を積立てよ組合強化の要素は1024第10章 労働運動
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