帝国繊維株式会社では、繊維産業の全般的不況と貿易自由化に対処することを理由に、企業の大巾な合理化を進めようとしており、過日、会社側から発表された案によると、札幌工場は全面的に閉鎖されることになります。同工場は、明治二五年五月、北海道製麻として発足以来七〇余年にわたつて操業されてきた企業であり、札幌の歴史の中に大きな位置を占めています。またこの原料たる亜麻の耕作については、北海道としても奨励農作物として重視してきたところであります。理由はともあれ、同工場の全面的閉鎖は、従業員と 殿 その家族千余名の生活に直接つながる問題であると共に、周辺の商店、札幌市政にも大きな影響を及すものであり、このような工場閉鎖は社会的問題となるものである所から、札幌市としても同工場を閉鎖しないよう会社に強く働きかけていたゞきたい。中対発第一号各 去る二月二十一日帝国繊維の会社側は、不況を理由にして原料工場二ケ所(帯広、標茶)と札幌工場の閉鎖を提案して来ました。会社側の挙げている理由は、① 地区労発第六九号一九六三・二・二三全北海道労働組合協議会 議 中対部長 札幌地区労働組合協議会 議 単産委員長地区労議長組合委員長関係県評議長帝国繊維合理化=工場閉鎖反対斗争に対する支援要請繊維界の慢性的生産過剰による販売価格の低下長 泊 谷 裕 夫 蔵 田 嘉 一 長 山 崎 七 郎 1032第10章 労働運動
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