北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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これは、八ケ月間無給であり、八ケ月後は自然退職となり、しかも退職金は一銭も出ないものであります。しかも札幌工場には男子従業員は一五九名であり、おそらく札幌工場は全員これの対象になるだろうと考えられる。以上のように、退職金すら出さない全員首切りの全く非人道的なきびしい合理化であり、炭労の閉山と同性質のものであります。この合理化に対し、当該帝繊労働組合は妥協はあり得ないギリの斗いとして斗争体制を確立し、既に二十三日より超勤拒否に入り、三月五日以降にはストを準備しています。全道労協、札幌地区労とも全力をあげてこの工場閉鎖反対の斗いを取り組むことを決め、今春斗と結合してもり上げる方向を打出し、帝繊労組、地区労、全道労協の三者による共斗会議を結成し、オルグをはりつけて指導に当つております。同時に、全市、全道的なアツピール 〱記     と共に、市議会、道議会に対する働きかけを行い、三月一日の春斗統一行動には、閉鎖反対と結合した集会、デモを組むことを決めております。更に、札幌工場の閉鎖、原料工場の閉鎖は、本道の亜麻生産農家(道内総農家戸数の一割強が亜麻耕作をしている)に重大な影響を与えるものであり、この関係方面にも訴え、共斗を呼びかけ、全道的な斗いとして展開しなければなりません。従つてこの合理化及び斗いの重大な意味を充分理解し、次の諸点で積極的な御支援、御協力されるよう強く要請致します。一、各単産地区労、および札幌地区労傘下の各組合は帝繊合理化について積極的な教宣活動をするとともに、次の各所に抗議及び激励文、電報を送付すること。又寄せ書き等を送付されたい。問されたい。抗議先更に、在札、近郊の組合は帝繊組合書記局に激励訪第10章 労働運動1034

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