北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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それでも全道労協の組合員の方々のカンパで大根も五十本あたりましたし、組合の生活部から安い野菜も買いましたし、別に心配はありません。石炭も炭労からわけてもらいましたし冬には特別困ることはありません。私たちは正月までも頑張るつもりですから、準備はすつかり整いました。会社には言いたいことはたくさんあります。王子の経営者ならもう少し立派な態度であつてもらいたいと思います。これから、私たちはヘンな会社幹部にはやめてもらいたい。ヘリコプターを使つたり暴力団、自警団とツラよごしばかりです。もう少し冷静になつてもらいたいと思います。私たちが醜婦連と馬鹿にされたのも、会社のためです。正     組合をブツツブそうとする会社がどうして労資安定などと言へるものですか、生()気の沙汰ではありません。―もし、この闘争が終つて、二つの組合のままで会社に入つた場合、御主人の仕事の上にも大変困難な問題があると思いますが、主婦のみなさん方は、こ職場の問題は私たちには、くわしいことはよくわかりませんが、主人がよく職場に入つたらガツチリやらなければ日鋼の二の舞いになると言つております。だから私たちが考えても、何もかもスツカリ解決してからでないと会社に入られないと思つております。私たちも男同士の問題や職場の事情などは知りませんけれど、余程今からシツカリした気持をもつていなければ駄目だと思つています。それでも現場の人達は比較的脱落者が少いので脱落者の方で困ると思いますが、今まで手を握つて闘つてきたのですから、今後もどんなことがあつても、おたがいに助け合つてやつてもらいたいと思います。私たち妻として今まで頑張つてきた主婦がお互はげましあつて内助の功を尽さなければなりませんね。それでなければ、今までなんのため闘つてきたかわからなくなりますからね。の点、妻としてどう考えていますか。―社宅でも二つの組合に別れておりますね。隣りは第二で、こちらは第一ということになると隣近所の第2節 高度経済成長期の労働運動1039

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