が、それは上べ面だけみたことで、私たちの闘いをもう少し理解していただきたいと思います。私たちは「協約」をかちとる、労働者にとつて大切な権利闘争をやつているのです。ですから苦しくともジツト我慢してがん張つているのですよ。もし、このストライキが負けたら、将来どうなるでしようか。始めは余りよくなんのためにストライキをやるのか、ハツキリわかりませんでしたが、ピケをはつているうちに、負けてはならない、負けたらどうなるかということも、ハツキリわかるようになつてきました。全国の労働者が支援してくれている闘いです。私たちが敗けたら、全国の労働者はつぎつぎと会社に攻撃されると思います。私たちはどんな弾圧もハネ返し、ユニオンを絶対とらなければならないと思います。―組合が分裂した日、九月十五日、第二組合が入構した日、あなた方はどんな気持でしたか。その時の気持をお話してください。私たちは第二組合と呼んでいません。脱落者と呼んでいます。今まで一諸()に主人達と働いていた人達が、それも役付の人が自分達の意見がいれられないからと言いて仲間を裏切つていつたときは、とても残念でした。だんだん憎しみにかわつてゆきました。自分だけがよい子になろうとするその気持がにくらしかつたのです。脱落者のおくさん連中はまるで、身分が違うというような顔つきをしているのです。私たちを馬鹿にした態度には、全く腹が立ちました。でも今はあわれな人達だと思つています。九月十五日朝早く二〇〇〇人もの警察官に守られて入 緒 ことはありません。なんでも警官の力でもの事を解決し構したときは、とてもこれでは駄目だと思いましたが、あの鉄帽をかぶつた警官をあんなににくらしいと思つたようとする、会社や脱落組がにくらしいと思つただけでなくて、なんだか、きたならしいという感じでした。日頃部長だ課長だ大学卒だといばつている人達の顔がみんな泥人形のように青ぎたなく見えました。ケガ人が出なかつたのが不幸中の幸だと思つています。1041第2節 高度経済成長期の労働運動
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