戦後北海道の産業構造相まつて、一段の振興が期待せられている。道民生活の最大問題は、住宅問題であつて、こんごともなお一層の努力が必要とせられている。以上を改善するためには、こんにちもつともおくれている各種産業の基礎施設を拡充強化することであり、同時に未開発資源を積極的に開発することである。だから道では、基礎施設の整備強化のために第一次計画を強力に推進せんとしつゝあり、これに並行して資源開発を基盤とする産業高度化の力強い建設の意図を示したのである。以上の諸方策により北海道の経済が発展することによつて日本経済の自立ならびに過剰人口解決に大きな役割を果すことが期待されるからである。北海道経済の現実は、日本経済の中の一環として、その悩みを自らの悩みとして負わざるをえないが、自らもつ若々しい将来性と、四百三十万人の道民の期待と努力とによつて一歩一歩逞しい前進をつづけつゝある。(北海道立文書館所蔵)そこで以上のような基盤にたつている北海道の経済構造を組みたてている各産業部門の構成比と相互関連性を、せめても輪郭を浮彫りさせてゆかなければならない。このような努力を払うことは、常に科学的な政策をたて、また正しい総合判断を下す上においてもつとも必要な要件である。さて、確実な基礎統計のひとつは、産業生産所得の分布であり、他は労働力配分であるといえよう。しかして、両者を総合的に判断して、経済の類型、あるいは発展段階が明かにせられ、北海道経済の基本構造が把握せられるであろう。㈠ まず、就業者人口が各産業へどのように分布せられているだろうか、産業の構造が端的にあらわれるのは、こ二、産業構造人口の産業別分布北海道総合開発委員会事務局『北海道経済実相報告書』一九五一年9324 第2節 経済構造と雇用・人口
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