北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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になるのは当たり前―」と吐き捨てるようにひとりごと。一方、修学旅行の各団体はいずれも添乗の交通業者たちが手回しよくバスをチャーター、道央へ向かったが、どのバスもギューギュー詰め。長旅がこたえたのか、生徒たちはみんな押しだまったまま。疲れた表情の女生徒の中には、バスに乗り込むと同時に青白い顔に手を当てて下を向くものもあり楽しいはずの修学旅行もすっ飛んだようす。引率の先生たちは「生徒の体が心配だし、バスに切り替えたため旅行費用もアップした。帰ってからこの処理に頭が痛い」と、がっくりしていた。桟橋に残された八百人は午前六時ごろになって、自然発生的に十人の〝乗客代表〟を選び、桟橋助役に話し合いを求めた。「長万部までローカル列車で行くが、そこから札幌までのバスの手配をされたい」と申し入れを―。しかし、青函局はバスのやりくりがつかない事情を説明したため、乗客の怒りは強まる一方だった。夜明けと共にこれら乗客のうち、道内周遊観光客はあきらめきった様子で予定を変更、駅前の朝市か市内観光に出かけたが、急ぎの客は午前十時函館発長万部行き函館バスで一歩でも道央へ近づこう―と行列した。国鉄ローカル線廃止反対全道総決起集会は、九月共斗会議が結成され、専従体制をとりつつ多くの行動を展開してきた。特に九月二九日より十月三日までの五日間、第一班の道南から第二班の後志、胆振、南空知、第三班留萌、宗谷、第四班網走、名寄、第五班釧路、根室の五班に分かれ関係市町村も含めて全道のキヤラバン行動を成功させた。又一二〇万枚のチラシ配布と合わせ署名活動について国鉄ローカル線廃止反対一〇・二七全道総決起集会成功する国鉄動力車労働組合北海道地域本部『北海道本部』№3(同「道本部情報80~83年度」所収)一九八〇年一〇月三〇日国鉄ローカル線廃止反対総決起集会第10章 労働運動1058     19 

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