札幌鉱山保安監督局が北三切羽生産再開を許可し、翌二七日から一〇三日ぶりに操業が再開されたのをはじめ、二月一六日には西部第四切羽が、四月五日には西部第三切羽の操業がそれぞれ再開された。また、三月二八日には事故発生から一六三日ぶりに全遺体が収容され、会社側は三月三一日、遺族に対する未払い弔慰金(一人二千万円のうち一千一〇〇万円)を支払い、四月一〇日清水沢体育館において北炭夕張炭鉱殉職者合同葬を実施した。このような状況のもとで、札幌地裁は四月三〇日、更生手続開始決定を行うとともに管財人に大沢誠一氏(前三井鉱山監査役)を選任し、会社再建のための具体的更生計画作成の作業に入ることとなった。その後、管財人を中心として会社の再建についての検討が行われていたが、管財人は八月二一日、組合側に対して、会社の再建、炭鉱の存統、新会社構想について、技術的・経理的検討を行ってきたが、北炭グループの支援が得られないこと等を事由として事実上夕張新炭鉱を閉山し、全従業員二、〇九九名を解雇すること等を内容とする「北炭夕張炭鉱㈱事業縮小に関する提案」を行った。〈管財人提案内容〉鉱を閉山(但し、露天掘採掘を除く)し、同日付で全従業員を解雇する。②就職対策―北炭系各社に四一八名をあっせんし、他は労使による就職あっせん委員会を設け、就職あっせんに最大限の努力をする。撤収作業要員、保攻()要員及び残務要員については別途協議する。③退職手当―本来ならば会社都合解雇扱いによる退職金を支給すべきであるが、もし閉山交付金の適用があっても退職金の一部に過ぎず、その不足分及び旧労務債の源資調達について、今後とも北炭グループにおいて最大限の努力を行うものとする。④福利厚生施設の利用―一〇月末までは従来どおりの取扱いとするが、一一月以降は受益者負担とし、具体的には別途協議を行う。⑤その他必要な事項は別途協議する。①会社の事業縮小―五七年九月二一日付で夕張新炭第10章 労働運動1066 坑
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