組合側は、直ちにこの提案を拒否するとともに、炭労は八月二二日に臨時大会を、夕張新炭鉱労組は八月二三日に全員大会を開催し、「ヤマの存続」、「労務債の完済」、「雇用の確保」を指標に闘争を進める方針を決定し、また職組も八月二三日、総決起集会を開催し、各労働団体等と結集して幅広い閉山阻止闘争に取組む方針を決定した。組合側は、この方針にもとづき、北炭グループ、三井観光開発等に対する抗議行動を行い、管財人、北炭及び萩原三井観光開発会長との交渉をはじめ、国及び道に対する要請行動、札幌、東京での座り込み等一般に対するアピール行動等幅広い運動を展開した。夕張新炭鉱閉山問題は、ガス突出・火災事故により多数の犠牲者を出したこと、労務債の多額の未払い約一二三億円があること、閉山による地元への影響等もあり、総評は「北炭夕張対策共闘会議」、全道労協は「夕張新鉱閉山阻止、再建推進北海道共闘会議」をそれぞれ設置し、闘争を支援する体制をとると同時に、地元夕張市を中心とする市民団体等による存続運動が活発に展開され、全道労協と道炭労は、八月二九日札幌で夕張新炭鉱存続等の要求貫徹のため二、四〇〇名規模の総決起集会、九月五日には夕張新鉱労組と夕張炭鉱職組が夕張で一、五〇〇名規模の総決起集会を開き一般市民も参加する地域ぐるみの運動の展開がみられ、九月一一日は、夕張新炭鉱労組、一七日は北炭労連規模、二一日は炭労規模でそれぞれ二四時間の抗議のストライキを実施し、職組もこれに同調し運動を展開した。また、国会の場でも北炭夕張新炭鉱問題が取り上げられるなどの動きもみられた。特に、労務債の問題は炭労など組合側が、北炭の収益 を三井観光開発につぎこんだものであり三井観光開発として責任をもって対処するよう主張し、北炭と萩原三井観光開発会長との間で調整が進められ、源資の捻出方法等に時間を要したため、管財人は九月二一日の当初の閉山予定を九月二八日、一〇月六日、一〇月九日と順次延期する中で、会社は一〇月八日労務債について約八九億円、閉山一時金五億円の支払い等を回答し、組合側はこ第3節 安定成長期以降の労働運動1067
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