業部門に従事している人口がきわめて多く、これに反して第二次産業―工鉱業部門に従事している人口が相対的に低位である現状が一見明かである。このことは端的に、北海道に於ける農業を中心とする原始産業部門の優位と工鉱業部門の低位を物語つているのである。だがその反面に昭和五年以降の工鉱業、第二次産業部門が就業人口の構成比において一四・六%から二三・一%へと歴史的発展を遂げつつあるという事実を見逃すことはできない。就業人口より産業構成をみると、一応以上のような推論がつく。それならば、所得の構成からみた産業構成はどうであろうか。㈡ 所得の産業別構成昭和二三年度生産道民所得推計によつてみると前表のとおりである。いま若干の解明を附け加えるならば、生産所得中最大の比率をしめるのは工業の二一・九九%であり、次が農業の一九・四六%である。たゞし工業の全体にしめる比率は日本全体の比率二七・〇二%よりも下廻つ編者注)〔(文中の割合(%)の数字の一部は表と合致しないが、ていることは、北海道の工業の発展が全国水準よりも下位にあることを明示しているといえよう。第三位は運輸通信業の一一・八七%であることも特色として指摘せられるべきである。所得を比較すると、第一次産業は総額の三一・〇四%、第二次産業三五・五三%、第三次産業三三・四三%である。得構成との関連を改めて要約してみると、北海道経済の構造的低位は明かであり、第一次産業―原始産業部門が第二、第三次産業―加工産業および用役生産部門にたいし所得形成率の低いことを表現しており、経済の発展段階も後進的性格を示していることが実証せられるのである。そのまま記載した。〕第一次産業、第二次産業、第三次産業のそれぞれのそこで以上のべてきたところの有業人口の構成と所(北海道立文書館所蔵)95 第2節 経済構造と雇用・人口
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