北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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本道にも「数量景気」が姿をあらわし、戦後もつとも平穏な明るい年であつた。戦前比較による経済成長まず、北海道経済の成長をあとづけてみることにする。北海道経済の戦前(昭五、一〇、一五年平均)と戦後の推移を所得ならびに人口によって、全国(戦前は現在の日本領土、但し沖縄を除く)と比較を試みてみよう。第九図〈略〉をみると、全国ならびに北海道の二七年以降の生産所得は戦前を上回るものであり、急テンポで成長していることがわかる。即ち昭和三六年には、道民所得で戦前の二・九倍、六、九二五億円に達したのである(国民所得は二・六倍)。復興から高度成長へ〈一九五二~六一年〉北海道『経済白書 和37年度版』一九六二年(北海道立図書館所蔵)北海道経済実相報告書 この図は、全国の目盛の二〇分の一に北海道の目盛を作成しているから、全国の折線以上に北海道の折線があがっているときには、対全国比において五%以上の割合を道民所得が占めていることを意味している。戦前においては、北海道は全国の五%以下の比重であったものが、戦後は五%以上を持続的に維持している。しかし北海道と全国の折線の開差状況をみるに(昭二八、二九、三一年における北海道の冷害凶作年を除く)、三〇年~三三年までは拡大し、北海道経済の相対的成長率は高かったのであるが、三四年以降は開差が縮小し北海道経済成長率の相対的低下がみられる。次に、北海道の人口の推移をみたのが第一〇図〈略〉    昭 年平均)対全国比四・五%、三〇〇万の道内人口は、二である。これからわかるように、戦前(五、一〇、一五八年以降五%を上回り、三六年には五〇七万三、〇〇〇人と戦前の一・七倍(全国は一・四倍)となり、対全国比も五・四%と一%比重を高めた。戦前より戦後二八年に至る北海道の人口増加率は、戦後二〇年より二四年頃に10229 (1) 第1章 地域経済と経済政策

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