北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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1.開発すべき工業開発の業種およびその規模等に関する工業開発の目標工業開発の構想北海道における生産の半ばを占めるこの地区の工業は、臨海部の有利性と豊富な資源の上に発達してきたものであり、室蘭を中心とする鉄鋼等の重工業、苫小牧を中心とする紙パルプ工業が立地し、さらに札幌、小樽を中心として、豊富な資源と消費需要に支えられた軽工業が発達しているが、とくに苫小牧においては、本道工業開発の一大基地化をめざして、工業港の築設が進められつゝあるなど、工業の発展を促がす産業基盤等諸条件の充足により一層の発展を期待しうる。このような本地区の特性に立脚し、工業開発の構想としては、第一に、室蘭における既成の臨海工業地帯の開発振興とあいまって、苫小牧港周辺部において本道における工業開発の中枢となるべき重化学工業基地を開発するものとし、第二に、札幌、小樽地区に機械工業をはじめ関連の二、三次加工工業の発展を期待し、第三に、道内外の需要の拡大ならびに地場資源を高度に利用する食料品、紙パルプ、雑貨および関連する諸工業の開発振興を期するものとする。の設備増強と鋼材の地場加工の伸展による鉄鋼業を開発振興するとともに、所内ガス等の有効利用をはかる製鉄化学、製紙の生産拡大に伴う関連化学および植物油脂等化学工業の開発振興をはかる。については、中核的工場の積極的誘致と完成品工場への質的転換をはかる。     るコンビナート化を目途に重化学工業基地の開発をはかる。すなわち、苫小牧港隣接用地約一、七〇〇haの工業用地を造成し鉄鋼一貫工場および、これに関連する製鉄化学の立地を期待しスチレン、尿素、メタノール等の生産をはかるとともに、石油精製工場およびこれに関連する石油化学工業による各種石油化学製品のすなわち、重化学工業においては既存の高炉、転炉また、石油精製の拡大をはかるとともに、機械工業また、苫小牧港周辺部は鉄鋼および石油を中心とす105(1) 第2節 経済構造と雇用・人口

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