石狩湾新港と工業集積の構想生産を期待する。このほか、機械工業の新規立地をはかる。軽工業においては、消費需要の増加傾向に対応して、農畜水産物を原料とする食料品工業、洋紙類および、紙加工製品等紙パルプ工業の振興をはかる。また、鉄鋼業の新増収にもとづく高炉セメント生産の拡大をはかるとともに、木材木製品工業については、木材の総合利用を目途に団地化、合理化をすゝめ生産の増大をはかる。以上、工業の開発振興にあたつてはとくに地場資源の高度利用をはかるとともに、中小関連工業の振興につとめる。このような開発構想にもとづき工業生産の規模は昭和四五年には、おゝむね六、二五〇億円、このうち重化学工業約二、六一〇億円、その他工業約三、六四〇億円、昭和五〇年には、おおむね八、三四〇億円と見込まれ、このほか、苫小牧港周辺部の重化学工業基地の開発による生産の規模を昭和四五年にはおゝむね一、第5章 九七〇億円、昭和五〇年にはおゝむね二、四二〇億円と見込まれる。前にも述べた通り本地帯の工業誘致には、種々な前提条件がある。したがって前提条件がどのように整備されるかが、この工業地帯の将来を卜するポイントといってよい。広大な用地をもっていて、これに臨海性を与えるため ―― -に新港の開設は必須の条件である。この立地条件は、こ結論本地帯工業誘致の政策的検討(北海道立文書館所蔵 伊藤森右衛門「新産業都市における石狩湾工業開発地区について」(〔北海道企画部開発課〕「新産都市に係る意見(商大伊藤教授)41年度」一九六七年 所収)A一一一 三九〇五)10631 第1章 地域経済と経済政策
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