同時に道外出荷率を高めることが、北海道経済発展上の目途であろうが、現実には、入超持続商品群の道内生産による自給率改善方向は今後の重要な課題であり、入超転化グループたる農産物、鉄鋼・非鉄・金属製品等の移輸出入動向如何が本道域際収支に与える影響において重要なポイントとなろう。9 内航海運、航空機の進出がめざましい。国鉄青函航送の相対的比重低下はその機械化、近代化努力にもかかわらず、常に輸送需要が輸送能力を超過していたためと考えられる。内航海運の機械化、近代化がめざましく行なわれ、コンテナー、専用船が進出し、苫小牧港新設もこの期に行なわれた。先進工業地帯、特に東京を中心とする南関東への移出入の集中化現象が顕著である。東北地方からの移入は伸びているが移出は伸びなやみを示している。また北陸地方との交易が不振であり、北九州地方等遠隔地との交流が増大した。Ⅲ 前章では三〇年代における地域経済の変ぼうと北海道経済の地位の変化を全国経済の構造的分析を行なうなかで明らかにした。そのなかから、最近の日本経済が東海道メガロポリスへの産業活動の集中と、それにともなう、人口労働力のこれら地域への集中、資金、物資の流動の激化などが明確にされた。本章では、北海道経済における都市化の現状とそれに関連する問題を指摘し、今後の北海道経済の地域的均衡ある発展をはかる立場から検討を加えることとする。1 経済発展上の諸問題~産業活動の都市集中~都市集中化の現状とその影響高度成長期と人口の都市集中〈一九六〇~六五年〉北海道『経済白書 和42年度版』一九六七年(北海道立図書館所蔵)北海道経済実相報告書 33 12 13 111 昭11 10 第2節 経済構造と雇用・人口
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