北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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ここでは、都市化の現状を把握するため、便宜的に人口規模別に都市を分類した。ただし、産炭地域には共通した特徴が多くみられるので例外的に取扱うことにし、さらに、三五~四〇年における人口の増加率にも焦点を合せて、分類して検討してみた。それによって、分類した都市群は第一一二表〈略〉のとおりである。人口の都市集中まず、北海道の都市化現象を人口の動きから検討しよう。昭和四〇年の市部郡部人口の割合をみると、北海道の        ており、北海道においても人口の都市集中化現象の進行市部人口は二九七万人と五七・五%を占め、郡部人口は二二〇万人で四二・五%となっている。これを三五年と比較すると、市部人口は八・九%増加し、一方、郡部人口は、四・八%減少となっている。この結果、北海道の総人口に占める都市人口の比重は、この五年間に三・三ポイント上昇し、一方、郡部では三・三ポイント低下しがみられる。また、これを全国と対比すると、全国都市人口増加率は一二・八%であり、北海道より三・九ポイント上回っている。これは、産炭地域での大幅な人口減少が大きく影響したためである。全国的には、産炭地域の人口流動が全体に占める比重が小さく、一方、北海道に占める産炭地域の比重は大きい。したがって産炭地域での事情を北海道については除いて考えると、北海道の都市人口増加率は一四・三%となり、人口の都市集中化現象は全国よりむしろハイペースであったともいえよう。つぎに、この傾向を都市規模別(含産炭地)にみよう。まず、五〇万人以上の都市(札幌市)での人口増加が目につく。札幌市の人口増加率は、全国の同規模都市の人口増加率を二〇ポイント以上も上回り、トップレベルにある。これは、札幌市が北海道の中心都市としての性格を一層充実させ、その影響力を全道に及ぼしていることを示している。一〇万人以上の都市についてみると、人口の増加率は112(1) 第1章 地域経済と経済政策

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