八%増を示したが、全国の同規模都市の増加率より七ポイント下回った。これは、全国的には県庁所在地と、東京、大阪等の衛星都市の多くがこの階層に属しており、その人口増加率が極めて高かったのに対し、北海道では、旭川市をはじめ、釧路市、帯広市などの人口増加は順調であったが、函館市、小樽市の停滞が大きく影響したためである。一方、五万人以上の都市では一三・八%増で、全国の八・四%増を大幅に上回っている。これは、苫小牧市の人口増加が大幅(三一・一%)であったことと、北見市、千歳市の人口増加が堅調であったことによる。さらに五万人未満の都市については、全国の三・七%増に対し、北海道では四%増であり、これらの都市はほぼ全国レベルにある。一方、郡部では、四・八%の人口減を示したが、全国の減少率八%に較べると、三・二ポイント少なかった。これは、第一次産業就業者の減少率が全国を上回っているにもかかわらず、非一次産業就業者の増加率が第二次産業で一三・三ポイント、第三次産業で三・八ポイントと、それぞれ全国を大幅に上回ったためと考えられる。このことは、北海道において第一次産業から流出する就業者が、都市へも吸収される一方、郡部の人口集中地域にも相当吸収されて、非一次産業就業者となり、これが郡部での市街地の進展とつながっていることを示しているものと思われる。この市街地の進展は、北海道が人口に比して広大な面積を有しており、郡部から都市への距離が本州方面より遠いため、日常の消費生活物資を郡部内部に求める度合いが、全国に比して高いことも原因の一つと考えられる。過疎問題とその対策〈一九六〇~七五年〉北海道過疎地域振興方針北海道『北海道過疎地域振興方針 年度』一九八〇年(北海道立図書館所蔵)昭和55~5911334 第2節 経済構造と雇用・人口
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