高成長から低成長へ〈一九四六~八五年頃〉第Ⅱ章 我が国経済は、長期にわたり世界に類例をみない高度成長を続けたのち低成長期を迎えており、この過程で産業構造や地域構造は大きく変化しました。本章では、こうした経済社会の激しい変貌のなかでの本道産業の発展過程と構造変化の跡をたどり、その特徴や問題点などを明らかにするとともに、道内各地域の産業展開や中核都市の産業活動の展開などを検討することにします。1 本道産業発展の軌跡ここでは経済成長の要因、産業構造の変化などを長期的にとらえ、全国又は圏域、ブロックと対比しながら、本道の特徴や他地域との相違点などを明らかにします。高度経済成長の終焉と新たな模索北海道『経済白書 和60年度版』一九八六年本道産業の発展過程北海道経済実相報告書 ア おむね復興期(二〇年代)、高度成長前期(三〇年代)、高度成長後期(四〇年代前半)、高度成長末期(四〇年代後半)、低成長前期(五〇年代前半)、低成長後期(五〇年代後半)に区分できます。どったかについて経済成長率を中心にみることにします。フレーションに見舞われたものの、二五年から二八年にかけての朝鮮戦争による特需の刺激効果などもあって、二一年度から二九年度の成長率が平均実質で八・六%と速いテンポで成長し、三〇年には鉱工業生産指数が戦前の最高水準を上回るまでに回復しました。 昭機として総合開発事業が本格化し、財政投資が拡大し本道経済の発展過程と構造変化経済規模の拡大と全国的地位の変化戦後四〇年間の我が国経済の発展過程をみると、おこのようななかで、本道経済がどのような変遷をた復興期における我が国経済は、終戦直後激しいイン一方、本道経済も二五年の北海道開発法の制定を契12539 (4) (1) 第2節 経済構造と雇用・人口
元のページ ../index.html#139