北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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たが、「大分県の物真似ではないか。」「北海道には、なじまないものではないか。」「補助金を出すべきでない。行政主導型は良くない。」「単なる精神運動か。」「知事は口だけで、金は出さないのか。」「生活や文化面まで広げないで、特産品づくりにしぼるべきだ。」等々、議論百出でした。その後、民間調査員二四名を委嘱するとともに、産業・生活・労働団体や市町村の方々からも参考意見を伺い、また、本州や道内各地の視察や調査など、検討を重ねました。幸い、マスコミの協力もあって、運動の気運は野火の      ように燃え広がり、量販店等の積極的な取り組みによって、一村一品が直接道民の目や手に触れる機会が増大し、さらに全市町村が参加する一大フェアが開催されるなど、私達を喜ばせる動きが続きました。この運動の主役は、地域の方々です。すべては、この一点から始まらなければなりません。いわゆる官依存の運動ではいけないということです。従って、発想は自由に、柔軟に、そして誰からも拘束されない、ユニークな運動であって欲しいと思います。しかし、個性的とか、ユニークさということは、私達の日常生活の実態からみて、大変な努力が要ると思います。それに、この運動には〝話し合う〟ことによって、連帯意識を引き出すという側面もあります。一方、よその地域に関心を持ち、学ぶことによって、住んでいる私達の街の特徴が理解できます。お互いに勉強しながら競い合って自分の街のカラーを創り出すことが、この〝一村一品〟という言葉に込められたイメージであろうと考えています。ここに、これまでの検討の経過を集め、この運動の展開に役立たせていただきたいと考え、この冊子をとりまとめました。ご活用のほど、よろしくお願い申し上げます。131第2節 経済構造と雇用・人口

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