今後の地域の振興は、一層ソフト面が重視されなければならない時代といえます。これまでのように、産業が都市をつくり、地域をつくる時代から、地域が産業や文化を育てる時代に入ったという認識に立って考えることが必要になっています。経済や財政など、地域をめぐる情勢が厳しければ、厳しいほど、情報や文化、教育、コミュニティーづくりなどのいわゆるソフトの政策が重要になります。私は、以上のような視点に立って、地場産業の掘り起こしと地域づくりを結びつける「一村一品運動」のような「村おこし た。道内の反響は予想以上に大きく、多くの方々から賛意と励ましをいただいています。こうした、市町村や道民の関心が大きなうねりとなって地域をみなおし、特産品の開発や観光資源を掘り起こし、ひいては、もっと大きな「村おこし 結びついてくれることを願っております。この盛り上りを大切にし、一層力強く、息の長いものとして根付かせ町おこし」の運動を構想し、提唱しましることが何よりも大切であると考えています。○なぜ「村おこし まず、北海道の市町村の多くが過疎におちいっていることです。道内二一二の市町村のうち、七〇%の一四六市町村が過疎地域であり、そのほとんどは、農山漁村や産炭地で占められていますが、これらの地域では、都市機能が十分でなく、雇用機会に恵まれていないことから、若者が流出し、地域全体の活力が低下している例が少なくありません。しかし、働く場所が確保され、生活の質が保証される えるためには、住民が誇りある町づくりに努め、地域になら地方に住みたいという、いわゆる定住志向は、近年、道内でも高まっており、北海道へのUターン、Jターンの希望は増えています。地域がこうした若者の希望に応活力をもたらす、「村おこし 町おこし」にとが、いま一番必要なことではないかと思っています。一方、道内の産業や経済の状況をみますと、加工組立型産業が立ちおくれ、消費財はほとんど移入に頼ってい町おこし」が必要か町おこし」に取り組むこ133第2節 経済構造と雇用・人口
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