北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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な役割を果たすと考えます。私の提唱したいわゆる「一村一品運動」は、このように物づくりだけではない幅広いものなのです。地域の人たちが話合い、足元を見つめなおすことによって必ず何かを発見する、そんな運動になることを期待しているのです。ポイントは、地元の地べたからの発想を大切にすることにあります。地域のいろいろな立場や考えの人たちが、「自分の町や村をどうすべきか、よい方法がないか。」といったことを話し合い、発展の方向を見つけ出すこと、これが「村おこし の町や村で、自分の町や村の〝顔〟になる誇りのもてるものを掘り起こしてもらいたいのです。その〝顔〟は、初めは小さなものであるかも知れません。しかし、自らの手で開発した〝顔〟は、地域の誰もが大切にするでしょうし、真剣になって育てていくでしょうから、ゆくゆくは、日本や世界にも通じる〝顔〟となる、そんなことを考えています。町おこし」です。そして、それぞれこうした誇りになるものを持つことによって地域に住む人々に希望がわき、地域の経済に活気をもたらし、働く場所や収入も増え、「村おこし 自らの地域は自らの手で築くという、自主的な地方自治の盛り上りにつながっていくはずです。また、「一村一品運動」のような運動は、地域の生活に根ざし、北海道らしい運動でなければなりません。先進府県や優れた事例に学ぶ点は学びますが、あくまでも地域の特色と雪と寒さや四季の変化など北国の風土に根ざした北海道らしさを見失うことがないようにしたいと思っています。5 一村一品運動の成果一村一品運動の成果〈一九八四~九三年〉北海道企画振興部地域振興室地域振興課『北海道一村一品運動10年の歩み』一九九四年(北海道立図書館所蔵)町おこし」を促し、13642      第1章 地域経済と経済政策

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