地域自らの発想と熱意のもとに町おこし村おこしに取り組み、活力に満ちた個性的な地域社会の創造を図っていこうと提唱した一村一品運動は、本格的な推進に取り組んで平成五年で一〇年目を迎えた。この間、道では上記のように各種の施策に取り組み、運動に対する積極的な支援を行うなど運動の推進に努めてきた。この結果、一村一品運動に対する道民の理解は進み、地域おこしに対する住民意識が高まり、各地で創意工夫を凝らした取り組みや地域おこしに取り組む人たちの活動が活発化するなど、地域の活性化を進めていく上での成果が上がってきている。全道各地で取り組んでいる一村一品運動の事例数で見ると、運動がスタートした昭和五九年に実施した一村一品運動に係る事例等調査によると、特産品四〇一事例、観光・イベント等三三二事例、計七三三事例が報告されていたものが、平成三年度の調査では、特産品六九五事例、観光・イベント等六一六事例、計一、三一一事例と大幅(七八・九%)に増加している。この調査と同時に、一村一品運動に対する市町村の意見も求めており、「一村一品運動がまちの発展に役立っている」との答えが全道市町村の九一%(一九三市町村)に上っており、この運動が全道各市町村に深く浸透していることが伺われる。また、平成四年に実施した道政モニターアンケート(五〇〇人)と昭和六二年の世論調査(一、八〇〇人)の調査結果を単純比較したところ、運動の相対評価として、地域おこしへの話し合い、取組みが活発化したという項目が、六二年の一七・五%から四年には四六・二%と住民参加の積極化を評価する声が高くなっている。運動の成果を地域住民の意識や実際に行われている活 動面から見ると、自分たちの町の活性化をみんなで考えて行こうという機運が盛り上がってきており、自らの知恵と手でイベント等を行っていく事例が確実に増えるなど各地において創意工夫を凝らした特産品の開発、イベントの実施など取組みが活発になってきている。137第2節 経済構造と雇用・人口
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