北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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また、従来の地域社会は縦社会であることから、異なった集団の中ではコミュニケーションが図られないことが少なくなかったが、この運動を通じ、商工業者、農業者、漁業者や婦人、お年寄りなど地域の横の連携が図られ、住民が一体になって行動する雰囲気が出てきている。このように運動をスター卜してから一〇年を経て意識面や取組みなどの変化が見られるが、全体として次のような点で従前との違いが見られる。〇 特産品づくりについては、生産者グループの話し合いや試験研究機関との共同研究開発、市町村の整備した加工施設の活用などにより、地場産品開発が活発になってきた。〇 特産品の販路拡大の支援として取引商談会が昭和六〇年から実施されているが、商品の特徴の明示、消費者ニーズにあった味や量の設定、自然志向への配慮などにより優れた逸品が生まれるようになった。〇 北の生活産業デザインコンペの実施により、生産〇 〇 〇 〇 〇 者のパッケージデザイン対)する関心が高まり、北国の生活に根ざした開発テーマによる製品が出てきた。デパート、スーパーなどの流通業界が、本道の一村一品の展示・売込みに積極的に取り組む事例が増えてきた。ふるさと会員制度やゆうパックなどにより、産地と消費者とのつながりを求めるケースもみられるようになってきた。(ふるさと会員制度九〇箇所[H五・三])特産品づくりだけにとどまらず、観光、文化などトータルな面で町の魅力を高めていく動きが出てきている。パークゴルフや長ぐつアイスホッケー、カーリングやミニバレーといったコミュニティスポーツの実施により、余暇時間の増大に対応したまちづくりを進めている市町村が増えている。地域住民の個性的な発想から生まれたイベントが、地域の活性化の起爆剤となっている例が見られ、そ(に脱カ138  第1章 地域経済と経済政策

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