北海道現代史 資料編2(産業・経済)
156/1104

消費税率が五パーセントになり、医療保険が一部改定されるなど諸制度の見直しがあり、消費や投資が低迷する中にあって、北海道経済の要である北海道拓殖銀行が営業譲渡によって消滅の道をたどり、さらには北海道開発の元締めともいうべき北海道開発庁が国の行政改革により整理統合されることが決定されるなど、北海道経済にとり大きな変動と転機の波が押し寄せております。加えて、国は、国及び地方公共団体の財政状況が危機的状況にあることを踏まえて、効率的で信頼できる行政を確立し財政収支を健全化して豊かな福祉社会と健全で活力ある経済を実現するという課題に向けて、平成九年一一月「財政構造改革の推進に関する特別措置法」(通称「財政構造改革法」)を制定しました。その中で、公共投資関係費の量的縮減目標が掲げられ、 国の平成一〇年度予算額を前年度の七パーセント以上削減し、さらに平成一二年度まで前年度の額以下に抑制することが決められました。他方、北海道は全国に比べて公共投資に対する依存率が高く、北海道経済もそれによって支えられてきた経緯があります。従って、国の公共投資縮減の影響を北海道は他の都府県よりも受けやすいと考えられ、北海道経済の状況は極めて厳しいと言わざるをえませんが、その影響の度合いを客観的に把握し、今後の対応策を十分に練ることが是非とも必要になると思われます。本報告書では、手法的には既に確立されている産業連関分析と、当室で作成されたマクロ経済モデルを使用した分析を行い、北海道経済に及ぼす影響の度合いや、各産業への波及効果について計測したほか、建設業者の方々の動向についてアンケートした結果をとりまとめました。少しでも関係各位のご参考になれば幸いです。      最後に、各種資料を提供していただいた北海道開発局など関係機関の方々や、アンケート調査にご協力いただいた建設業の方々に感謝申し上げます。平成一〇年三月総合企画部経済調査室長 浴山正久  142第1章 地域経済と経済政策

元のページ  ../index.html#156

このブックを見る