北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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同五六(一九八一)年にかけて全九巻が刊行されました。このたびの新たな道史は、四回目の編さんとなり、『北海道現代史』(資料編三巻、通史編二巻)を中心とした全八巻の刊行を予定しています。事業の開始に当たって平成三〇年三月に決定された「道史編さん大綱」において、「道史編さんの方針」が次のように定められています。㈠ 本道の歴史的な変遷を日本及び世界の歴史の中に位置付けること。㈡ 最新の研究成果を取り入れ、高度な学術研究の水準を保つこと。㈢ できる限り平易な表現で記述するとともに、多くの写真や図版を収録することにより、道民に親しまれるものとすること。㈣ 道内外の広範囲にわたり、資料の調査及び収集を行うほか、収集した資料の保存及び活用を図るとともに、資料の提示に重点を置いた内容とすること。 『北海道現代史』では、前述の㈣にあるように、「資料の提示」に重点を置くことを大きな柱としています。かつては、市町村史における資料編や資料は、通史の「添え物」的に見られがちでした。この点は、これまでの道史編さんにもある程度あてはまる傾向といえます。歴史学の神髄は、様々な史料を利用して新たな歴史像を再構成することなどと言われたりもしますが、一方、「史料をして語らしめる」という言葉があるように、その時々の解釈に左右されない歴史資料そのものを提示する「資料編」を重視する傾向が、近年の自治体史編さんにおいて多く見られるようになっています。『北海道現代史』の編さんに当たっても、第二次世界大戦後の激動の時代の中で、道内各地で生起した様々な事象を記録した資料を収録する     2発刊に当たって

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