か、現実の姿としては産業組合有なのだから団体有として買収しなければならない。そこで一寸迷つて、現地の意向をきくこととした。連中を集めてきいてみると、吾々の考えていたこととは逆に、個人有に移すこととなつた。特に若い連中に個人有論が多く、年寄りは解体して貰つては困るという。年寄りは有島さんの顔をまだよく知つていて、恩顧をかんじている。全く単純な事で、やむを得ず個人有とした。C 東京でも有島農場がどうなるかということを問題にしていたのですね。G 現地で一番苦労し、つらかつたのはやはり農業委員会の書記なんですよ。優秀な成績をあげている所は亦優秀な書記のいたところですね。その次に農業委員、それに部落補助員というのもよくやつてくれたですね。Ⅰ ただ牧野買収の場合には、大半の委員は意識的に買〈中略〉苦労し恨まれた村の書記収しない考え方が強かつたですね。D 苦しい数字ですよ。G たということはいいことだつたが。B G A G すね。H こられると、課長より「お前達は馬車馬のようになれ」と風当りがこつちにくる。その風当りを町村からくる書記に我々はもつてゆく。町村の書記はもつてゆきどころがない。G いないところだつた。〈中略〉二九・七%という買収実績の数字はそういういみで農地委員会が町村とは別個に独立の行政機構であつ当初の書記はいまどの位のこつているかね。農地委員会等町の書記は二割位のものでしよう。委員を含めて六百名位でしよう。苦労したのも職員、恨まれたのも職員ということで沖縄行の話のあつた頃は、GHQから部、課長がおその他町村の苦労したところは土地台帳の完備して184 第2章 農業
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