北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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B 日本の農業、施策9 日本食糧問題の根本的重要性に鑑みて、施策に対してより一層多額の資金を割当てることが妥当である。もし、少しでもこの努力を怠るならば、国の発展力をそぐことになるばかりでなく、外部からの援助に対する依存度を益々高めることになろう。次の様な点について農業施策並びに農業政策に対する力点をある程度調整し転換することが特に望ましい大規模土地改良事業の展開北海道農地開発協会『国際復興開発銀行 調査団報告書』一九五五年農業と思われる。  米穀以外のものの生産計画に一段と留意すべきこと。一八七〇年代以降実施されて来た稲作の増反及び単位当り生産量の増産計画は驚くべき成功を収めたが、今やこの面の努力に対する効果は漸減の傾向をあらわしつつある。米の生産においてすばらしい効果を収めた不死身の努力をこれからは、畑作物の栽培や畜産に振りむける必要がある。米は将来においても最も重要な作物であるから米の生産を無視するわけには行かないが、米以外のものに近代的方法と設備を利用すれば稲の栽培を更に改善するために払う努力がもたらす結果よりも更に大きな食糧増産になると思う。同時にこれは日本の食生活の改善にもなる。更にこのことは日本をして工業の合理化にも必要な乏しい資金をあまり涸渇せずに食糧増産の実をあげしめることにもなる。土地開拓事業は大いに促進を要すること。第二節 農業近代化の始動8 世界銀行による農業融資〔日本農業の現況と見透し結論〕10 (b) (1) (a) 194第2章 農業

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