新らしい農業政策の構想上から与えられる補助金を待つている時代は過ぎ去りつつある。地域の農民が共に手をとり合い、自ら計画を立てて、改善する時に道が開けるのだ! 治が今年から行はれようとしている。終戦後十年間、我国の農業政策は、この狭い国土でいかにして多くの人口を養うかということに重点がおかれたため、いきおい米麦増産に編)重した農政が、進められてまいりました。従つて、国の方針によつて上できめられたことが、農家におしつけられる場合が多かつたのですが、最近の日本農業をとりまく内外の諸情勢に対応するため、従来とつてきた食糧農産物の量産第一主義を転新農村建設運動北海道農業経営振興協議会『北海道経営だより』一巻二号一九五六年六月(偏カ当(業者の意欲によつてそれぞれの地域にふさわしい農林換し、国のおしつけでなく、下からもりあがつてきた漁業の振興をはかつてゆくというように、農林行政の基本的な考え方が大きく変つてきております。本道農業は、近年の打ち続く災害と農畜産物の価格不安定等のため農家の負債は雪だるま式に増えてゆく現状にあり、特に畑作農家の経済は不安定になつてきております。それで、このような事態に対処するため、道の農政も、特に酪農地域の建設と負債整理の促進を二本の柱そのような政として、畑作の振興をはかることを強く進めているのです。しかし、本道のように地帯によつて気象や土地条件が非常に異つているところでは、どうしてもその地帯にふさわしい農業経営が行われることが必要であることは、昭和二十八、二十九年と二ヵ年続いた冷害の場合でも、農業経営の基盤がしつかりできていた人は、それほど大きな被害は受けなかつた例をみても明らかであります。そこで、道では、本年度に地帯別農業経営確立五ヵ年計画を最終的にまとめあげ、この計画を基礎として、農家新農村建設総合対策205 マ)マ(2) 11 第2節 農業近代化の始動
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