北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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もられた、改良普及員の増員による技術指導の強化と併せて、一連の関係ある事業として計画されたのであります。しかし、いろいろな関係で改良普及員の増員は実現されずに終つたにも拘らず、この制度だけを切りはなして実施することは、跛行的であるという批判がありますが、農業改良資金制度が単なる金融措置でなく、必要な技術指導を併せ行うという主旨からして、確に危惧される点でありましよう。従つて、現在の農事組合がこの資金の貸付や融資の対象となりうる性格を持つた、自主的な生産協同体となつたとき、とりもなおさず、普及事業における集団指導の場が確立されるのであつて、現在の少い改良普及員の活動を効率化するためにも、一日も早く全道的に、農事組合による組織的な集団活動の展開が望まれるのであります。北海道農業経営振興協議会『北海道経営だより』(北海道立図書館所蔵)農家のあつまりである部落のことが問題になるときは、  (農業改良課)のは、やはり日本の農業が、農家の協同の力で、解決し農業が大きな動きにぶつかつているときであるといわれています。昭和のはじめには、農村の不景気を切抜けるために農事実行組合がときの脚光をあびましたし、また、私共の記憶にも生々しい太平洋戦争のときには、まるで部落が軍隊の班のように動かされたことなどで、うなづいていただけることでしよう。そして、いままた部落のことが、国や道、そして、みなさん方の住んでおられる市町村や部落の中で問題となつたり、話題となつているてゆかなければならない問題にぶつかつているからなのです。このような考え方で現在の当面している問題に対処するため道では、農協中央会、農業会議、畜産会、自立推進委員会、農民同盟、開拓者協議会などと幾回も相農家集団活動のみちしるべ「農家集団活動育成強化要綱」一巻二号一九五六年六月農家集団活動のみちしるべ21012 第2章 農業

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