談をし、また全道的に調査をしたり、皆さんに意見をきいたりし、農家集団の活動におてつだいをして本道の農業を、どんな嵐がきてもビクともしないものにしたいものと、その方針をまとめたのです。それが農家集団活動育成強化要綱というものの中味なのです。それでは、その考え方は、どんなものであるかと云うことを説明する前に北海道の部落は、一体どのような状態になつているかをしらべて見ることにしましよう。一、北海道の農家集団活動現況農家集団には、いろいろのものがありますが、農家の方が全部入つていて、全道的にどこにもあるのは、農事組合とか生産組合、実行組合(以下農事組合といいます)という名の、かつての農事実行組合の後身でありますので、農事組合のことをしらべれば、大体の状況がつかめると考え、ことしの一月に全道調査をしてみたのです。全道に約一万三千の農事組合がありますが、調査の結果中間的なものですが次のことがわかりました。まず農事組合の性格ですが、申し合せのものが全体の九八%。法人二%。構成戸数は一一戸~二〇戸が四六%。六~一〇戸が二六%。二一~三〇戸が一六%で、一戸~五戸位のものや、五○戸以上のものもありました。また規約をもつているのが、全体の三四%、予算を立てているのが四三%。事業計画をもつているのが三一%でした。役員は選挙、推せん、輪番、指名と云う順で定められ、任期は一年が八三%で圧倒的に多く、半年交替と云うのもありました。次に組合活動の中軸となる生産活動につき申上げます。組合員農家は大部分生産計画をもつているが、組合自 体が生産計画をもつているのは一六%。このほか主な活動としては簿記研究会、展示圃、採種圃、品評会、共励会、種畜飼養、共同利用施設利用、一斉作業、共同作業、研修会が行われていますが、それぞれ全体の一〇%前後にとどまつています。比較的多いのは堆肥積込(一四%)、薬剤撒布(二四%)などの一斉作業、研修の座談会(六〇%)、研究会(二八%)、視察(一一%)などでした。また生活改善の活動は、従来の組合の性格から活211第2節 農業近代化の始動
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