とし整理してしまつた。だが、これは農家個人の借金がなくなつたわけでなく町としてコゲつき負債が帳簿から一応消えたということにすぎない。そこの上渋山部落では、十九戸のうち十四戸が負債整理資金のガイ当農家だ。そこで、町や農協では草とりのころから、営農指導を行うとともに、食糧のないものには、コメをもつていつてやつている。これも山ロク地帯だ。このように、どの町村でも同じナヤミをもち合わせている。げんざいの作付の形をかえて、安定した農業をしよう、ということでいれている牛もスツキリ入りこんでいない。芽室のある農家にいつてサイロがあるので「牛は何頭?」ときいたところ、牛舎はカラツポ。主人が病気をしたので、金がかかるし人手不足で売つた、ということであつた。わざわざ借金して建てたサイロが遊んでいるのだ。とにかく、昨年の冷害によつて作付の内容もぜんたい的に、ビー卜をいれたり、変つてきているけれど、その動きはすこぶるニブイ。そのカべになつているのは、やはり借金である。政治的な手がうたれなければ、とつくづく感じる。小手先ではどうすることもできないところにきているだろう。○政府委員(〔(農林省振興局長〕增田盛君)北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法に関しまして、補足説明いたします。この法律のねらいは、北海道の区域内におきます寒冷 具体的に申し上げますと、畑作地帯でございますが、こがはなはだしい地域、特定の寒冷のはなはだしい地帯との地帯に対しまして寒冷地畑作振興地域として指定いたしまして、そこの農業者に対しまして必要な資金を長期『第三十一回国会 第十五号』一九五九年三月一〇日編者注)(北海道立図書館所蔵)参議院農林水産委員会会議録 の説明北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法22114 第2節 農業近代化の始動
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