かつ低利で貸し付け、それによってその地域における農業者の経営の安定をはかるということが目的でございます。御存じの通り北海道の畑作地帯におきましては、自然的な条件あるいは経済的な条件等がお互いに作用し合いまして、冷害のつど農業経営が動揺しておるのでございまして、何とかしてこれを安定させたいという声が内外より高かったのであります。政府におきましては、このような事情を考えまして、北海道の寒冷地農業につきまして、農林省内に特別な対策室を設置いたしまして、昭和三十二年度におきましては、基本的な畑作営農の調査を行なったのであります。この調査の結果によりまして、この寒冷地帯の畑作農業の現状を改善して参りますためには、土地条件等生産基盤の整備をはかるということはもちろんでございますが、それと同時に、こういう寒冷地帯の自然的あるいは経済的条件に適合する農業経営の確立をはかる、こういうことが痛切に必要と感じられたのであります。以上の見地から北海道畑作営農改善対策要綱を設定いたしまして、昭和三十三年度から実施をするということになったのでございますが、この資金に関しましては、特に農林漁業金融公庫の資金を活用するということであります。個々の農業経営を対象にしまして、これに公庫融資をして、さらにこれらの農業者に対して営農指導を強化していく、そしてそういうことによりまして農業経営の確立をはからんとするものであります。今回はこの措置を法律制度として確立し、一そうその推進をはかることといたしたのであります。次に、その内容に関して簡単に申し上げますが、北海道の寒冷地畑作振興地域の指定に関しましては、農林大臣が一定の基準を定めまして、この基準に基きまして北海道知事が申請をする、その申請に基いて農林大臣が指定する、こういうことになっております。この指定に関しましては、気象条件その他の自然的な条件あるいは経済的な条件を勘案しまして政令によって定めたいと考えております。次に、この寒冷地畑作振興地域におきますこの制度の対象となる農家がどのくらいありますかといいますと、222 第2章 農業
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