Ⅰ 対策の目標と方向本道農業の現状と基本問題から本道農業と農家経済の到達すべき目標とその対策の方向はつぎの如くである。これは全農民的な要望として運動をすすめている農業基本法の制定に方つてとり入れるべきものとして提案するものである。対策の目標対策の目標は「家族労働を主とする企業的経営」の確農業構造政策北海道農業会議『北方農業』一〇巻八号一九六〇年八月立によつて農業の生産性を高め、その所得向上を図ることにより、他産業との所得の不均衡を是正することを主眼とする。 「家族労働を主とする企業的経営」とは、家族労働を主とした経営で、その経営する土地および資産によつて、家族の生活を可能とし、なお余剰を生ずる経済単位である。具体的には家族一人当り生活に要する経営を日額五千円乃至七千円とし、家族六人として農業所得は四〇万乃至五〇万となり、これを可能とする経営規模を最低とするものである。そして当然これは、地帯的に又その経営形態によつて異なるものであり、地帯的な目標となり得る営農類型を設定することが、対策の前提として要求される。対策の方向は、目標となる「家族労働を主とする企業 その前提として的経営」の確立を阻んでいる諸要因を排除し、さらに積極的にこれを促進する綜合的対策を確立することである。対策の方向第三節 農業構造政策と規模拡大北海道における農業基本対策の構想〔北海道における農業基本対策の構想(案)北海道農業会議〕224(1) 15 第2章 農業
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