北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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基本的に他産業とくに工業または第三次産業が、農業の過剰労働力を正常に吸収することが必要である。これがため日本経済・本道経済が、この条件を充すものでなければならない。然るに日本経済においてもそうであるが、本道経済の基盤はなお脆弱で産業関()発が遅れており、労働市場は狭隘であつて、現状においては勿論、今後とも農業の過剰労働力を全面的に吸収することは一般に困難である。ここに本道の対策上格別に考慮を要する問題がある。わが国の北辺に位置し、自然的経済的条件が劣悪である本道においては、その条件に適応する農業構造が確立されねばならない。これがための特別な構造生産対策が必要である。とくに土地利用とその所有においての抜本対策をとることが前提となる。この企業的経営の確立のためには、農畜産物価格と工鉱業製品価格とのシエーレを解消することが前提として必要であり、これについての措置と農畜産物の市場条件の整備と価格の安定が本道農業の特性から特に 開 重視されねばならない。以上のことから本道における実現性のある基本対策は農業開発を第一義として左の如き方向において確立されるベきである。㈠ 確保するための綜合的土地対策であり、これが北海道的特色として、対策確立にあたつて最も重要視しなければならない。ことを可能にする条件であり、この農民的利用対策の確立が必要である。なお、これらの土地と個別経営をどう結びつけるかについては、共同的経営についての配慮をすベきである。㈡ 産地の形成が一層必要であり、このための対策を確立すべきである。本道農業の生産が、てん菜、亜麻、ハツカ、馬鈴しよ、豆類、牛乳等の原料生産であることからこのことが格別重視される。この基本は地帯別の営農類型に即応する経営規模を本道の未開発地、山林等の豊富な土地資源は、この近代的生産様式をとり入れ、市場に適応するため主(3) 225(2) (1) 第3節 農業構造政策と規模拡大

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