北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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㈢ 経営規模をさらに拡大し若くは高い技術をとり入れてその生産性を高めるため、共同的経営が発生しつつあることからこれが育成指導の対策を考慮すベきである。㈣ この企業経営を主軸とする生産性の高い発展性のある農業を確立するためには、本道的な新しい技術体系が必須なものとして要求される。また、その対策実現のために強力な実施体制の確立が必要である。これがためこの要求に応える試験研究機関改革再整備と農民の自主的組織の確立が必要である。またこれを推進する行政機構の再編が要求され、とりわけ中心的分野である構造改変対策を推進する組纖の確立が最も重要となる。㈤ この企業的経営に到達する可能性のない零細経営をどうするかはこの基本対策において極めて重要である。このことについてわれわれは、他産業での正常な雇用確保に対する、具体的計画が準備されない限りは、これを直ちに農業政策の外におき、若しくは離農促進を性急に進める対策に賛成することはできない。  右の対策の目標と方向は長期的政策として一貫性と安方分散若しくは地域的工業の振興が考えられねばならない。これは過剰就業の排出のためにもまた経過的に零細経営農家に兼業所得を得さしめて所得均衡を図るためにも必要である。また、これら零細経営の生産を高める対策が格別に考慮される必要がある。当面直ちにとられるベきことは農業に就業の機会をもたない労働力とくに青少年の他産業転出のための職業教育の確立と、農村内部並びに外部において農村の過剰労働力の就業対策のための機構を設置し特別の対策をもつことである。㈥ な農業への資本投下が絶対条件である。これは国民経済と国家財政の耐え得る最大限の長期にわたる国の財政投融資によつて裏付けられねばならない。また、金融についても別々に低利資金を必要とする。この対策の一つとして、本道開発において工業の地これらの対策を可能にするには、このための国家的226第2章 農業

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