北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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農者が増えたら、ただでさえ戸数が少ない酪農地帯にとって「地域社会が成り立たなくなる」と、多くの農協組合長は訴える。だからこそ、現在、必死に再建に取り組む一千五百戸の農家の負債整理と、農協自身の経営改善が、酪農王国・北海道に課せられた、大きな問題といえよう。 「涙のランナー」は、負債脱却を果たした酪農家を中心に、苦しくとも、酪農民として走り続ける姿を再現してきた。苦労した者だけが知る、感激の涙を、少しでも多くの読者に、知ってほしい。津別町農業の課題・解決策津別町農業振興プロジェクト会議・第一班津別町「津別町農業振興プロジェクト研究発表会」一九九六年一二月一三日(国立国会図書館所蔵)《課  1.経営改善(経 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ (所 ⑨ ⑩ (加 題》営)畑作農家と畜産農家との有益的な連携不足。農作物の生産収穫量が年々低下している。酪農戸数が少ないため堆肥を町外より導入。土壌診断の件数が少ない。機械の個人保有が多いため、コストアップとなっている。酪農婦人は忙し過ぎる。男社会の農業経営、経営主だけのメンツ競争意識だけで経営を拡大し続け、妻は過重労働になる。経営のパートナーとしての女性の立場の位置付けが低い。得)農業者の技術等での所得格差が大きい。今の農業所得は、サラリーマンより低い。工)農業者が主体となった地域農業づくり24418 第2章 農業

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