北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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R&Rおんねない設立道内はもとより、ここ恩根内地域においても酪農家戸数は目に見えて減少してきており、このままでは酪農の衰退は避けることができない現実となっていた。また、恩根内には数戸の後継者が酪農経営を行なって       数多くいてこそ、生産性の向上が図られて地域が活性化いるが、将来的にはさらなる減少が見込まれ、地域内での交流や農作業等の助け合いもできなくなる。農業生産の基盤や地域活動は、若い農業者や後継者がその地域の(するのである。そのうえ、この地で営農している酪農家の土地や施設、R&Rおんねない『R&Rおんねない 農者の夢を実現し地域の活性化を目指す酪農経営組織』二〇〇三年(浜中町農業協同組合所蔵)新規就に)機械をはじめ、何よりも長年培ってきた技術、知識、経験がすべて失われてしまう。そこで、これまでつくりあげた牧場を意欲のある人に引き継いでもらい、恩根内地域での営農活動を継続させたいという想いがあった。平成一四年九月から、組織立ち上げに向けての勉強会や視察などを行なったのちに、平成一五年五月に当会を設立し、居抜きによる経営継承を八戸の農家で活動を開始した。研修システム基本的な研修システムとして、一年目は会員酪農家全戸で酪農技術全般を学ぶ。二年目になると、継承予定先農家にて一年間の研修を行ない、順調に研修が進めば三年目で継承予定農家から「居抜き」の形で土地、牛、農機具、施設等を継承し、就農することになる。就農希望者は、二年目に継承先農家にて研修することで、あらかじめ継承先農家の土地、牛、農機具、施設等に慣れ親しむことができ、スムーズに営農を開始するこ酪農の第三者継承のモデル的取り組み25921 第4節 国際化農政期の北海道農業

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