【主な参考文献】北海道山林史戦後編編集者会議『北海道山林史 一九八〇年代には国産材生産の増大による国産材時代の実現と、レクリエーション利用など国民の森林への要求の多様化への対応が求められるようになった。これらへ道として政策対応が行われてきたが、ここでは木材生産の分野から「地域林業システム」、森林の新たな利用の分野から「道民の森」を取り上げた。 「地域林業システム」は北海道新長期総合計画において打ち出した道独自施策である。資料26は「地域林業システム」が構想された背景と目的について政策立案者がまとめた記事である。北海道の人工林の活用を進めるという新たな課題に対して、川上と川下、国有林・道有林と一般民有林の連携の重要性が示されている。林野庁は一九九一年に流域管理システムを打ち出したが、これに先んじた政策であったともいえる。道民の森林への関心の高まりを受けて、当別町内の道有林を「道民の森」として、道民が森に親しむ拠点として整備することとしたが、資料27はその基本計画書の抜粋である。森林を学び、楽しみ、健康を増進するといった多様なテーマで、里山から奥山まで含めて活用しようとしていることが分かる。現在も多くの道民の利用が行われ、また生徒の森林・宿泊学習にも活発に利用されている。多様な要求に応える林政の展開戦後編』北海道林業会館、一九八三年272 (2) 第3章 林業
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