〔道有林の林力増強計画北海道庁林務部道有林課長 小倉政平〕道有林の林力増強計画国、道有林とも林増の完成理想図を四十五年目以降針葉樹八〇、広葉樹二〇の林相としていることを考えると、パルプ業界の用材需要の広葉樹偏重はいったいどうなるのであろうか。二 林力増強計画のしくみ以下林力増強案本文より抜萃し説明する。 『道有林六二万町歩のうち、施業対象林分を明確にし、さらに施業対象林分のうち、林力増強可能林分を明確にする。林力増強可能林分とは、現在の林業技術と経営規模のなかで人工植栽あるいは漸伐、択伐作業などで生産力の増強が期待できる林分である。北海道林材新聞社『躍進する北海道林業 林経営合理化事業の解説』一九五八年〈中略〉国有a、傾斜度三〇度未満、海抜高五〇〇メートル以下(ただし中央高地七〇〇メートル以下)で土壌および気象的に造林可能な林地は積極的に天然生林を人工林に転換する。b、天然生林中、択伐作業により更新可能で、かつ、成長率一・五%以上で、成長量はほぼ人工林と大差ないもの、あるいは漸伐作業により人工林と大差ない成長量を期待できるものは、それぞれの作業により林力増強をはかる。c、前記a、b以外の施業対象林分は択伐作業をおこない林力増強をはからない。』すなわち、道有林六二万町歩、二・四億石が、すべてが経営の対象となる地積や資源の量を示すものでなく、今後の計画に直結する林分を明確に区分し、細分化して技術の集約化につとめたもので、施業対策林分四五五千ヘクタール中、林力増強林分二六五千ヘクタールとし、これに技術と経費を集中しようとするものである。〈中略〉294第3章 林業10
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