北海道林業の基本問題と基本対策技術指導をするが全体からみれば、まだまだ不在地主や大口森林所有者で自ら事業をおこなえないで自然にまかせた経営をしているものが相当あるので、これを森林所有者に変)つて組合が依託をうけて事業実行施業監理などをおこなうように推進して、全加入林の合理的経営をはかる。特に資金については長期資金の確保をはかるため関係機関の協力をえて努力する。3.対策を方向づける原則的観点これまでは、北海道林業の経済的特質と、それを背景にその基本問題の所在並びにそれを取上げる契機を明ら〈中略〉北海道造林振興協会『北海道林業の基本問題とその対策』一九六一年(ママ(北海道大学農学部図書室所蔵)(道林務部林政課)かにしてきた。ついで、この対策をたてるにあたつて、理念的にいかなる方向をとるべきかを検討しなければならない。そこで、この対策の方向づけとして、これまで述べてきたごとき北海道林業の基本問題の要因をうけて、つぎの四つの側面を取上げることとしたい。すなわち、①土地生産性の向上とあわせて労働生産性を高めうるような、合理的林業経営の発展を企図する生産政策、②それを可能ならしめる制度に関する政策、③これらのことと併行し従来目的意識が弱かつた農家林に対する政策、④林産物の市場条件に対する政策がそれである。いうまでもなく、以上のことがらは、国土の保全・農業の成長発展等を含む国民経済全体の成長と歩調をあわせて、自からも前進していくことによつて達成しようとするものである。この対策を方向づける場合に、注目すべき観点を明ら かにすればつぎの諸点である。300第3章 林業12
元のページ ../index.html#314